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2022年度「第7回 小泉郁子賞」選考結果報告

2023年2月21日更新

小泉郁子賞選考委員会委員長
お茶の水女子大学 文教育学部長 水野 勲

第7回小泉郁子賞選考委員会は慎重に審議を行った結果、下記の者を小泉郁子賞候補者として学長に推薦し、了承を得ました。
「小泉郁子賞」設立趣旨についてはこちらをご覧下さい

小泉郁子賞

伊藤 絵理子 氏

業績「『清六の戦争』を中心とするジャーナリスト活動 」

 伊藤氏の研究およびジャーナリストの活動の特徴は、一貫して、農村地域の貧困と大都市の貧困地域の子どもたちに焦点を当ててきたことです。卒論では、関東大震災前後の東京市の貧困地域で、義務教育の普及が貧困の課題を可視化しただけでなく、小学校の中に潜在化していったという両義性を指摘しました。また修論では、1930年代の農村地域の貧困が学校給食によって緩和され、義務教育制度の維持に役立っていたことを、岩手県の文献や資料を用いて明らかにしています。
 このような本学での研究活動が基礎となって、伊藤氏の毎日新聞でのジャーナリスト活動は、近年の日本の子どもの貧困率の上昇という問題と、アジア太平洋戦争の歴史を軽く考えようとする近年の言論状況を考えると、社会的な問題への新しいアプローチを示したものとして、興味深く思われます。特に、伊藤氏の親族であり毎日新聞の記者でもあった伊藤清六の「個人史」、日本の「近代史」、そして伊藤氏自身の戦争や貧困に対する「問題関心」を内的に結びつけた『清六の戦争』の連載記事は、多くの読者と書評欄で高い評価を得て、二つの賞を受賞しました。
 伊藤氏は、人文社会科学の社会的普及活動において顕著な業績を挙げ、小泉郁子賞受賞者に大変ふさわしい方であり、小泉郁子賞を授賞するに相応しいものであると判断しました。

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