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令和3年度学部入学式 学長告辞

2021年4月4日更新

学部入学式

新入生の皆さん、そしてご両親をはじめとするご関係の皆様、ご入学、本当におめでとうございます。教職員一同、在校生一同、そして同窓生の誰もが、皆さんのご入学を心の底から祝福し、私たちの仲間になられたことを歓迎いたします。

このような慶事は、本来ならば互いに肩を抱き合って喜びを共にする出来事なのでしょうけれど、昨今のパンデミックの下では、それはとても叶わず、本日の入学式は新入生のみの出席とさせていただいています。また、祝賀後、時を移さずスタートする皆さんの大学生活も授業の多くをオンラインで行わなければならない状況にあることはご承知のとおりです。

これから、皆さんは、新たな目標に向かって一人ひとりの「旅」に出ることになります。大学では、やや誇張した言い方をすれば、「正解のない問題を解く」ことを学修しなければならないと言えます。そこに、学問の本質があります。そのために、予め決まっている正しい答えに辿り着くスキルではなく、探究する力を身に着けていただきたいと思います。それは、正に暗中模索しなければならない道なき道の始まりと言えるでしょう。

しかし、「案ずるより産むが易し」と言うように、古い大学のイメージからすると対面で行わない講義などまるで別世界のもののように思われますが、学校がロックダウンされた中で入試の荒波を乗り切ってみせた皆さんの頼もしさからすれば、何ということもないのかもしれません。若い皆さんの中に秘められている力には、本当に感嘆するしかありません。

現在は、変異株の急速な蔓延が危惧され、規模においては昨年を上回ることが予測されるコロナ禍の最中、皆さんが克服しなければならない困難な状況は続きますが、人びとが貴重な経験を積み重ねた結果、皆さんの心が折れそうになった時に親身になって相談に乗ってくれる経験知を持った多くの人たちがいることを支えとして、状況の悪化に対して受け身であるだけでなく、むしろ明るくアクティブに、皆さん自身のかけがえのない大学生活をより豊かなものにするようにチャレンジしていただきたいと思います。皆さんには、限りない可能性があります。私たちは、いつでも、どこでも、皆さんを応援しています。

そんな今、今だからこそ是非とも皆さんの心に刻んでおいていただきたいことがあります。皆さんの母校となるお茶の水女子大学の歴史です。

お茶の水女子大学は、1875年(明治8年)、日本の近代化という国家目的に資することを使命として創設されました。本学は、その使命を帯びて、諸外国の優れた女子教育を手本に、世界と肩を並べることができるような実績を築き上げてきたことを誇りとし、2025年には、実に創立150周年を迎えます。

2004年、国立大学の法人化に際して、お茶の水女子大学は、「学ぶ意欲のあるすべての女性にとって、 真摯な夢の実現の場として存在する」という独自のミッションを掲げました。これは、本学が長年取り組んできた開発途上国をも含めた世界の女子教育支援を包摂し、世界中の全ての女性たちの夢の実現を支援することを企図するものであり、今世界が志向している「地球上の誰一人取り残さない」というSDGsの理念にも通じるものです。このミッションのもと、本学が全ての?が?を携えて幸せに暮らせる社会を実現するための担い手であることを世界に?し、また世界レベルの教育?研究によって社会的な課題に向き合い、それらの課題解決に尽力する?学となることを目指したいと思っています。

本日、無事本学に入学の時を迎えられた皆さんには、世界の人々と連携し、文化の多様性を理解し、違いを認め合い、互いを尊重し、協働して平和な世界を創り上げていっていただきたいと思っています。

大学は、皆さんがその能力を培うための場と手段を提供します。たとえば、理工系分野における女性の活躍が求められる社会的要請に応えて、数理的推論やデータ分析力が身につくようにAI?データサイエンス教育に力を入れています。しかし、それだけでなく、専門分野が文系?理系であることを問わず求められる論理的思考力、課題発見?解決力、判断力、未来社会の構想力などの修得を目的とした文理融合リベラルアーツ教育も本学の教育の特色の一つです。さらには、リーダーシップ教育、少人数教育、PBL型の授業、短期?長期の海外留学を中心とする国際交流体験などを通して、これからの日本、あるいは世界で求められる能力の育成に努めています。

これから始まる学生生活は、皆さん自身の舞台であり、他の誰のものでもありません。高村光太郎の有名な詩文に謳われているように、道は皆さんが歩んだ跡につくられていきます。今必要なのは、思い思いの希望を持って歩き始めることなのです。

話しを結ぶにあたって、最後にもう一言だけ申し添えたいと思います。大学は、全力をあげて、皆さんの努力を後押しすることをお約束します。そして、皆さんは、このお茶の水女子大学という共同体の仲間として、どうか自らと真摯に向き合っていってください。皆さんの頭上には、どこまでも続く青々とした空が、時間をも超えて広がっています。皆さんの希望を遮るものなどありません。ただ勇気を持って、思いきって挑戦してみてください。そうして、女性が社会に進出することさえ困難であった創立当初から、日本国内のみならず海外で活躍をした卒業生たちに続いていく、さらにはそのような先輩たちを超えていく力を身に着けてくださることを願って、私の告辞といたします。

令和3年(2021年)4月4日
お茶の水女子大学長 佐々木 泰子